今、令和の世の中は「発達障害」ブームです。
大人の発達障害、子どもの発達障害、思春期の発達障害、
育児本、セルフケア本、世に啓蒙する本、教育業界本、保育業界本、職場向けの本、
面白おかしい系、医療系、医療もどき系、スピリチュアル系、整体系、
「僕の考える最ツヨの治療法」とかエセ科学性、
「自分は発達障害ではありません!キリッ」というHSP系本、まで。
外形的にも新書、ソフトカバー、ハードカバー、マンガ、MOOK、
なんでもあります。
そんな中、これはお勧めしても良いかな、という本、それが今回の本です。
「発達障害大全 ― 「脳の個性」について知りたいことすべて」
2023/12/22 黒坂 真由子 (著)
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発達障害大全 ― 「脳の個性」について知りたいことすべてamzn.asia
2,860円(2024年02月02日 10:28時点 詳しくはこちら)
まず外見。
ソフトカバーだけど、592ページ、3.6cmの大部
どーん!
感覚的には、本は2cm超えると明らかに厚くて、
3cm超えは「辞書かな?」という感じ。
|良い本なところ|
この本の良いところは、
著者がプロのライターさんであるということ。
かつ、発達障害のお子さんを持つ母であり、実感を伴っていること。その著者が、発達障害業界のプロ、有名人。当事者、支援者、医者、など幅広くインタビューした対話の記録になっていること。
まず、対話本なので読みやすい。
そして文章自体もプロの文章なのでとても読みやすい。
内容的にも、トンデモであったり、売込みであったりは排除されていて、
私が読んでいても、もやもやすることはほぼないです。
順番に読む必要はなく、興味のあるところだけ1章ごとに拾い読みすることもできます。
文章も構成も読みやすく、内容も間違っていなくて、スバラシイ。
|スイートスポット狭し|
ただし、この本のスイートスポットは狭いだろうな、というところが残念。
まず、厚い。この時点で脱落する人は少なくないでしょうねー
でもこの厚さがこの本の存在に効いてくるのかも。
そして、育児だとか、セルフケア、職場での困りごとにすぐ効くような内容にはなっていない。
発達障害について知りたいという時に、最初の一冊として選ぶのには向いていないのではないかな、と思ったりもします。
(でも、ちょっとここは染まり切ってしまった私にはもうわからないのかもしれない、、、)
でも、ここはこの厚さが役に立つ。
「大全」という名前のとおり、他の本などでは拾いきれない広い知識を、
かつ実地のプロでなくては語れないリアルな質感を持った情報を、
インタビューで伝えてくれる本です。
私が思うこの本の読者は、
「一通り発達障害についての情報は取り込んで、トンデモの害とか、正解のなさに困り、『もっとリアルな知見が欲しい』と感じている、知識を正しく扱える人」です。
知識を得たら生きやすくなる方ばかりではないけれど、知識があったらやりやすくなる方にはお勧めできる。そんな本です。
noteの領域にいる人たちには割と無理なくなじむかと思うんですけどね。
今回は
「発達障害大全 ― 「脳の個性」について知りたいことすべて」
の紹介でした。
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あ、COIはないですよ